渡辺 謙さんに学べ

先日、俳優の渡辺謙さんが胃がんの手術を行ったというニュースが流れました。

渡辺謙さんといえば、1989年に「急性骨髄性白血病」を発病し克服。その5年後再発するも再び克服し、ハリウッドスターにまで登りつめた日本を代表する俳優のひとりです。

「渡辺謙がんで手術」というニュースに、まさか過去の白血病の再発か?と心配された方も多いと思いますが、今回は「初期の胃がん」しかも内視鏡手術ということで少しほっとしたのではないでしょうか。
前回の病気から10年以上経っていますので直接の因果関係は考えにくいと思います。

今回内視鏡手術で胃がん手術を行ったということはステージが低かったのだと思います。
「早期発見」できたということです。

奥様の勧めで人間ドッグを受けてみることにして、娘の「杏」さんが病院を見つけてきたようです。
人間ドッグを受けたことが生死を分けた、のかもしれませんね。

当ブログでも人間ドッグを受けてみることをお勧めしています。

 

 

さて「胃がん」ですが、日本人の死亡原因の第2位となっています。
死亡原因第1位の肺がんより罹患者数は多い(およそ倍)のに死亡者数は少ないのです。つまり治る人が多いのです。
そう、胃がんは早期発見できれば助かる確率が高いがんです。

●胃がんのステージと5年生存率
胃がんは早期発見されれば治り易いがんですが、やはり進行してしまうと生存率は下がってしまいます。
「日本胃癌学会」が発表している数字です。

ステージ 5年生存率
ステージⅠA 93.4%
ステージⅠB  87.0%
ステージⅡ  68.3%
ステージⅢA  50.1%
 ステージⅢB  30.8%
 ステージⅣ  16.6%

うちはがん家系かな?と思っている人や40代以上の人は、健康診断だけでなく、「人間ドッグ」も意識してはいかがでしょうか。

 

認知症にぜんそくの薬が効く?キーワードは「タウ」

以前多くの高齢者とお話しする機会があり、「どんな病気になりたくないですか?」と聞いてみると、がんや心臓病などではなく「ボケたくない」つまりアルツハイマーなどの認知症といった病気にはなりたくないという人が最も多かったことを覚えています。
やはり家族などの周りの人に迷惑をかけたくないということが大きな理由のようです。

さて誰もがなりたくない認知症ですが、非常に有効な薬が見つかったと本日(2015/12/24)のテレビ朝日の朝の番組「モーニングショー」でやっていました。

その薬と言うのが、新薬ではなく既存の「ぜんそく」の薬だそうです。

メカニズムはこうです。
今まで認知症は「βアミロイド」というたんぱく物質の蓄積によって引き起こされると言われてきましたが、βアミロイドワクチンでβアミロイドを取り除いたにもかかわらず症状の改善がみられないというケースがあり、他に原因があるのではないかと研究が進み、注目されていたのが「タウ」というたんぱく物質です。(詳しくは「日経デジタルヘルス」の記事をご覧ください)

番組によると、「タウ」というたんぱく物質は脳の細かな神経を安定させている物質で、神経に一定の間隔を持って張り付いているそうです。
これが何らかの原因で集まってしまって、「タウ」同士がくっついてしまうと神経細胞に重大なダメージを与えてしまうということです。

ある「ぜんそく」の薬の成分にその集まってきた「タウ」同士がくっつかないようにふたをする効果があるということがわかったそうです。

では「ぜんそく」の人は薬を飲んでいるから認知症にならないのかというとそうではなく、この有効であるとわかった薬は、ぜんそく患者が飲んでいる一般的な薬ではなく、特殊な事情で使われる薬ということです。

これから臨床試験などを行い、どういう効果があるのか、どういう症状に効くのかなど詳しい情報が出てくることと思います。
早く実用化されることを願っています。
今回の発見は、新しい薬が作られたというのではなく、既存の薬の応用ですから、実用化までの期間が短く、2025年の実用化を目指しているそうです。(新薬だともっと実用化までに時間がかかります)

*番組を観てすぐにこの記事を書きましたので、表現や認識にあやまりがあったら申し訳ありません。随時訂正していきます。

北斗晶さん 乳がん手術へ

タレントの北斗晶さんが本日(2015/09/24)乳がんのため右乳房の全摘出手術を受けました。
先日告白されてから大きな話題になっています。

今回の件で衝撃的なことは、「北斗さんは毎年きちんと健康診断を受けていた」ということです。
そしてマンモグラフィー・エコーもしっかり受けていた。
なのに症状がでるまでがんが発見されなかった、ということです。

実は北斗さんの乳がんは乳頭の下にできていたようです。
乳がんの多くは乳房、特に上部外側にできることが多いのですが、5~10%くらいは乳頭の下にできるそうです。

乳頭の下にできたがんは、エコーやマンモグラフィー、触診でも発見しづらいため、症状がでるまで気づかないということがあります。

自分で乳房を触ってみて、しこりがないか調べることがとても有効ですが、それに加えて、鏡で自分の乳房をチェック知ることが大切です。
両腕を上に挙げた状態で、乳頭がひきつれていたり、今まで陥没していなかったのに乳頭が陥没していたり、乳頭をつまんで出血があったりしたら乳頭の下にがんがあるかも、と疑ってみる必要があります。

北斗さんは、うつぶせになった時にピリッとした痛みを感じたり、鏡を見た時に乳頭の位置がいつもと違う、と感じたことがあったようですが、年齢によるものと思ってしまい、夏前に痛みが出て初めて詳しい検査を行いがんが発見されたそうです。

ちゃんと健康診断を受けていても発見されないがんもあるとなると、健康診断が無駄じゃないかと考えてしまう人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

やはり定期的に健康診断を受け、早期発見できる病気はたくさんあります。
加えて、401代50代60代の人や遺伝的な病気が心配な人などは、人間ドックの受診も検討してもいいかもしれません。

人間ドックを受けるべき人・年代別検査項目

人間ドックの強い味方⇒人間ドック・検診予約

人間ドックを受けるべき人といっても、可能であれば誰もが受けた方がいいのですが、特にこんな人は人間ドックを受けてみましょう

gf01a201502100600・35歳以上の方
・タバコを10年以上吸っている
・毎日お酒を飲む
・最近体重が増えた
・血圧が高い
・○○がなんとなく調子が悪いと感じている
・血縁者に糖尿病・高血圧・がんの方がいる、またはそれらが原因で亡くなった方がいる

9d0071840fdf5e14d2ac4248b0c3cc4c_s<年代別の人間ドック検査の目安>
●30代の人間ドック検査の目安
30代の方は消化器系はしっかりチェックしましょう。胃がんや大腸がんといった消化器系の疾患は早め早めのチェックがとても大切です。

●40代の人間ドック検査の目安
40代の働き盛りの世代は仕事の疲れだけでなく、飲酒や喫煙などの習慣の影響が現れやすい世代です。定期的な検査をして、様々な部位をチェックしましょう。

●50代の人間ドック検査の目安
50代の人間ドックの検査項目は、「三大疾患」に特に注意して選びましょう。
「三大疾患」とは、「がん」「心臓病」「脳血管疾患」のことです。
日本人の3大死亡原因です。
これらの検査には基礎検診だけでなく、CT検査などの精密な検査がお勧めです。

●60代の人間ドックの目安
60代の人間ドックの検査は1年に1度は受診したいですね。。
ちょっとした病気が大きな病気へとつながるかもしれません。
前立腺や肝臓などの症状がでにくい部位にも注意が必要です。


<こんな検査・人間ドックがおすすめ>
・PET検査
がん細胞をマーキングする検査方法で、身体の負担が少ない検査です。
肺、膵臓、大腸、頭頸部、乳がん、卵巣がん、悪性リンパ腫などの検査に有効です。
逆に肝臓、胃、前立腺、脳の検査は苦手です。

・脳ドック
年齢とともに発症リスクが高まりますので、生活習慣による影響が現れてくる30代後半が受診の基本です。脳内の奇形や、血管の奇形などの遺伝的な病気の可能性もあります。
30代のかたは3年に1回、40代の方は2年に1回、50代の方は1年に1回を目安に。

・大腸がん検査
日本人で増加しているがんです。特に女性のがん死亡率では第1位!
便を調べたり内視鏡検査で大腸をチェックします。
がんだけでなく腫瘍やポリープなども発見でき、状態によっては検査中に除去することも可能です。

その他、「肺の検査」「乳がんの検査」「子宮の検査」「心臓の検査」「胃の検査」「メンズドック」「レディースドック」などもあります。

初めての人間ドック 検査項目・費用など

健康診断は毎年受けていますか?
まずは病気にならないように生活習慣を整えたり、予防をしていくことが大切ですが、いざ病気になってしまったら早期発見がとても大事になってきます。
場合によっては早期発見が生死を分けることにもなります。
最低でも年に一度の健康診断は受けておきたいですよね。

m020250今回は更に一歩踏み込んで、「人間ドック」についてです。
「健康診断はやっているけど人間ドックはやったことがない」という人も多いでしょう。
ちなみに「人間ドック」の「ドック」とは、船舶がメンテナンスを行う「ドック」からきている和製英語です。犬の「ドッグ」ではありませんよ~。
初めての人間ドックを検討する際に疑問に思うこと、例えば検査項目や費用などをまとめました。

●人間ドックと健康診断の違い
健康診断は年に1回以上受けることが法律で定められていますが、人間ドックは法的な義務はありませんので任意の検査になります。
健康保険の対象外となることが多いです。

健康診断は検査が簡易であるため結果として「~のリスクが高い」「~の疑いがある」という傾向を教えてくれることになります。
人間ドックは「~が見つかった」「~の病気があります」と、よりはっきりとした結果がわかります。

●人間ドックの検査項目
人間ドックの場合、健康診断より検査項目が専門的で種類も多くなります。
より精密な検査を受けたい場合に受けることになります。
検査項目が多いため、自分の目的に合わせて検査項目を組み合わせることができます。

人間ドックは大きく分けて「基礎ドック」「専門ドック」の2つに分けられます。
・基礎ドック
生活習慣病に関わる検査が中心で、健康診断の検査項目をより詳細に調べます。

・専門ドック
脂肪リスクが高い病気を、PET-CTやMRIなどの画像診断を利用したりして詳しく検査します。
代表的な検査として以下のようなものがあります。
がんドック・脳ドック・レディースドック・心臓ドック など

●人間ドックの費用
検査項目とその組み合わせによって費用は変わってきますが、一般的な人間ドックは2~5万円位。
CTやMRIなどの専門ドックを追加していくと10万円を超えることもあります。
人間ドックはオーダーメイドとも言えるでしょう。