以前多くの高齢者とお話しする機会があり、「どんな病気になりたくないですか?」と聞いてみると、がんや心臓病などではなく「ボケたくない」つまりアルツハイマーなどの認知症といった病気にはなりたくないという人が最も多かったことを覚えています。
やはり家族などの周りの人に迷惑をかけたくないということが大きな理由のようです。
さて誰もがなりたくない認知症ですが、非常に有効な薬が見つかったと本日(2015/12/24)のテレビ朝日の朝の番組「モーニングショー」でやっていました。
その薬と言うのが、新薬ではなく既存の「ぜんそく」の薬だそうです。
メカニズムはこうです。
今まで認知症は「βアミロイド」というたんぱく物質の蓄積によって引き起こされると言われてきましたが、βアミロイドワクチンでβアミロイドを取り除いたにもかかわらず症状の改善がみられないというケースがあり、他に原因があるのではないかと研究が進み、注目されていたのが「タウ」というたんぱく物質です。(詳しくは「日経デジタルヘルス」の記事をご覧ください)
番組によると、「タウ」というたんぱく物質は脳の細かな神経を安定させている物質で、神経に一定の間隔を持って張り付いているそうです。
これが何らかの原因で集まってしまって、「タウ」同士がくっついてしまうと神経細胞に重大なダメージを与えてしまうということです。
ある「ぜんそく」の薬の成分にその集まってきた「タウ」同士がくっつかないようにふたをする効果があるということがわかったそうです。
では「ぜんそく」の人は薬を飲んでいるから認知症にならないのかというとそうではなく、この有効であるとわかった薬は、ぜんそく患者が飲んでいる一般的な薬ではなく、特殊な事情で使われる薬ということです。
これから臨床試験などを行い、どういう効果があるのか、どういう症状に効くのかなど詳しい情報が出てくることと思います。
早く実用化されることを願っています。
今回の発見は、新しい薬が作られたというのではなく、既存の薬の応用ですから、実用化までの期間が短く、2025年の実用化を目指しているそうです。(新薬だともっと実用化までに時間がかかります)
*番組を観てすぐにこの記事を書きましたので、表現や認識にあやまりがあったら申し訳ありません。随時訂正していきます。